新年明けましておめでとうございます。
皆様、希望に満ちて新たな年を迎えられたことと思います。
また、旧年中は当協会の運営等につき、一方ならぬお力添えをいただきましたこと心から感謝申し上げるとともに、本年も引き続きのご支援・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
さて、当協会は任意団体時代を含め、今年で創立丸10年を迎えます。この間、延べ受験者数は113,274人を超えるとともに、合格者も54,686人となりました。
食品表示に関する知識と理解を深め、それを客観的に評価する仕組みを目指して立ち上げた当協会の検定制度に、これまで数多くの方々が関心を寄せ、試験にチャレンジしていただいたことは感謝に堪えません。
また、同時に私ども協会関係者としても、皆様の熱いご期待を裏切らないよう、あらためて同制度の信頼をより一層高めるとともに、サービスの向上を図ることに邁進していく所存です。
ところで、当協会が創立された10年前の2009年(平成21年)は、当時の福田総理の意向を踏まえ消費者庁が設立され、それまで個々の関係省庁で企画・立案・執行されてきた食品表示の所管が同庁に一元化された歴史的な年でもありました。
ちなみに、消費者庁は同年9月に設置されましたが、当協会はその半年前、まだ消費者庁構想が無かった時期に立ち上げています。すなわち、機が一緒になったのは偶然ではありますが、これまでの間、同庁の重点施策である新たな食品表示制度への移行とともに歩んでこられたことは”縁”とも言え、大変ありがたく感じている次第です。
さて、昨年は食品表示法が制定されて初めて実質的改正がなされました。また、遺伝子組換え表示基準の見直しに関して消費者委員会に諮問され、パブリックコメントの募集等を踏まえ、昨年末から本格的な審議が始まりました。さらに、「今後の食品表示の全体像」についての検討も進みつつあり、次期消費者基本計画への位置づけにも影響する大きな課題となっています。
こうした経緯を踏まえ、食品表示制度の動向に関しては本年も注視が欠かせない年となることが予想されます。
具体的には、
- @ 遺伝子組換えに関する食品表示基準の改正
- A 次期消費者基本計画の策定に向けた新たな食品表示制度に関する検討動向
- B 現行消費者基本計画において「要検討」事項とされている「添加物表示」の検討動向
- C 食品表示法改正に基づき義務化される「不正食品表示リコールの届出」対応
- D 経過措置期間(2020年3月末)内における新たな表示基準(食品表示基準)に則した表示への移行
- E 経過措置期間(2022年3月末)内における新たな加工食品の原料原産地表示への移行
(外食・中食分野では、今年度中を目途に食の安全・安心財団で検討中の「外食・中食における原料原産地情報提供ガイドライン」が策定予定) - F 現在JAS協会が受託している冠表示の検討結果を踏まえたガイドライン等への対応
などが想定されます。
いずれにしても、食品表示制度を実効あるものにするには、健全な食生活の実現に向けた消費者の正しい理解と活用が大切であり、また同時に事業者の適正な表示の実行が不可欠です。
また、消費者の求める情報とそれを伝える事業者の実行可能性とのバランスが今後も大きな課題となることも事実です。
これらの検討が円滑になされるためにも、消費者を含めたフードチェーン関係者の食品表示ルールに関する正しい理解を深めることが重要であり、当協会の検定制度がその一助になれば幸いです。
今後も食品表示検定を通じて、正しくわかりやすい食品表示の普及・啓発や上級合格者の有志から成る食品表示活用研究会の活動への支援、メールマガジン等を通じたホットで有意義な情報提供など、積極的な活動を続けていくことにしています。
最後に、本年が皆様方にとりまして、幸多く飛躍の年でありますことを祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。