理事長からの食品表示便り -「理事長からの食品表示便り」コーナーの創設に当たって- |
皆様には日頃から当食品表示検定協会の各種事業の運営等につき、ご活用・ご協力いただいておりますこと、心から御礼申し上げます。
食品表示は、食品の提供サイドと消費者を結ぶ「信頼の絆」です。しかも、社会情勢の変化等に伴い、制度も常に変動してきました。食品表示の利活用の主体は、基本的には消費者の方々ですが、日常生活において、適正な理解と積極的な活用がなされることにより、健全な食生活が実現されます。
また、これら提供される食品を取り扱う事業者にとっては、当該食品に関して、消費者が摂取する際の安全性確保や自主的、合理的な商品選択の際に役立つ情報を、分かりやすい「表示」という媒体を通して伝えることが求められ、そのためには少なくとも消費者以上にはルールを理解しておく必要があります。
昨年4月に食品表示法及び同法に基づく食品表示基準が施行されましたが、これまでの個別法による制度からの移行により、定義の統一やルールの整合性の確保などがなされましたものの、必ずしも分かりやすい内容とは言えず、ご苦労されている消費者や事業者の方々が少なくないことも事実です。こうした状況を踏まえ、当協会では、従来から食品表示検定という制度を通して、関係者の皆様方の食品表示ルールに関するご理解を一層深めるためのお手伝いをして参りました。
ところで、現在政府では、新制度の普及に努めるとともに、加工食品の原料原産地表示、インターネット販売の食品表示など、食品表示に関して残された課題の検討がなされています。これらの検討結果は、各検討会の報告書としてまとめられ、場合によっては、今後内閣府消費者委員会食品表示部会(食品表示部会)の審議を経て、食品表示基準の改正等に反映されることも予想されています。こうした課題について、検討の段階から経緯を理解することは、新たなルールを正しく理解することにも役立つものと思われます。
小職は、現在縁あって、消費者庁・農林水産省共催の「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」の委員(座長代理)や第4次食品表示部会委員を務めていることもあり、これらの最新の進捗状況をご報告するとともに、実効ある食品表示制度に関する所感もお伝え出来ればということで新コーナーを設置した次第です。
特に、各種検討会は、これまでは主として関係者に対するヒアリングやアンケート調査など実態把握を中心の検討がなされてきましたが、今秋に中間取りまとめがなされることになっており、今後取りまとめに向けての高密度な検討がなされるものと思われることから、今後その状況につきご報告させていただく予定ですので、ご期待下さい。